アレクサンダー大王の武将を殺すティモクレア by Elisabetta Sirani - 1659年 - 228 x 174.5 cm アレクサンダー大王の武将を殺すティモクレア by Elisabetta Sirani - 1659年 - 228 x 174.5 cm

アレクサンダー大王の武将を殺すティモクレア

油彩、カンヴァス • 228 x 174.5 cm
  • Elisabetta Sirani - 8 January 1638 - 28 August 1665 Elisabetta Sirani 1659年

1638年の今日、イタリアバロックの画家・版画家のエリザベッタ・シラーニが生まれました。彼女は初期近代ボローニャにおける最初期の女性画家の一人で、女性画家のための学校を創立しました。27歳で思いがけなく亡くなったため、現存する彼女の絵画は計り知れないほど貴重です。

今日紹介するこの絵の背後にある物語はプルタルコスの作品で、彼が詳しく記述したのはティモクレアの伝説。ティモクレアは、トラキアのアレクサンダー大王支配下の武将、彼もまたアレクサンダーという名でしたが、その武将に強姦されました。ティモクレアは自分を襲った人物と対面し、復讐のためにあえて服従するふりをします。彼女は自身の運命を嘆き、彼に伝えました。「ほかの全てを失ったとしても、私は、体の自由を奪うものから私を守れるかもしれない」と。彼女は、財産を隠している場所だとかたり実際は何も無い井戸に彼をおびき寄せ、そこへ押し込み、重石を放り投げ、彼の生命を終わらせました。 

シラーニの絵のティモクレアは、アレクサンダー大王の英雄譚の注釈というよりも、むしろ中心的存在です。男性の作家や画家は、彼女の物語をアレクサンダー大王の寛大さを想像させる逸話として矮小化することがよくありました。大王はティモクレアの兄弟が150組の男性カップルから成る有名軍隊にいると知り、彼女を助命したのです。

もう一つ、シラーニが非常に並外れていたのは、自分の名前を絵に書き込んだことです。水差しの横の石に「ELISAB. SIRANI. F」とあります。それは当時のボローニャの男性画家もめったにやらないことでした。シラーニには自信と、画家としての自覚がありました。彼女がとても早くに亡くなってしまったのは本当に残念でなりません。

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