黄色い服の女 by Max Kurzweil - 1899年 黄色い服の女 by Max Kurzweil - 1899年

黄色い服の女

油彩 キャンバス •
  • Max Kurzweil - October 12, 1867 - May 9, 1916 Max Kurzweil 1899年

マクシミリアン・クルツヴァイルはオーストリアの画家であり版画家です。初期アールヌーヴォー様式に寄与した人物でもあります。 最初はウィーン美術学校で学んでいましたが、25歳の時に絵の勉強を続けるためパリに渡りました。クルツヴァイルが初めて展覧会に出品したのも、独自のスタイルを開拓したのも、パリでした。 

フランス滞在中、クルツヴァイルは港町に惹かれ、船やボート、そして港町の人々を描くことに喜びを見出しました。妻マーシャ・ギヨと出会ったのも港町コンカルノーでした。クルツヴェイルは屋外で描くうちに光を操る名人になりました。ウィーンに帰ってからは、クリムトや他の芸術家たちとともに、 ウィーン芸術協会からの完全な離脱を謳ったウィーン分離派運動の基礎を築きます。この運動はフランス印象派運動の強い影響を受けたものでした。

今日ご紹介する作品は色褪せた柄物のソファでくつろぐ妻マーシャを描いたものです。明るく華やかな黄色のドレスは絵の中で圧倒的な存在感を持つとともに、控え目な背景と好対照を成しています。ドレスは下に垂れ、女性が白い腕をソファの背もたれに伸ばしているのと同じような感じで椅子の上に広がっています。彼女の表情は色々に解釈されますが、私には疲れてしまってポーズからできるだけ早く解かれたいと思っている強い、少し焦っているような女性に見えます。

クルツヴァイルは後にウィーンの女性のための美術学校の教授になります。そこでで生徒だったヘレーナ・へガーと出会い、不倫の恋に落ちます。1916年、49歳だったクルツヴァイルは彼女を射殺した後自らも銃で命を断ちました。こうして輝かしくも優れた画家の生涯は早すぎる幕切れを迎えたのでした。

- ハイディ・ウェーバー