今日は私の聖名祝日です!国や文化によっては馴染みが薄いかもしれませんが、私の母国のポーランドでは大切な習慣です。自分の名前の由来となった守護聖人を記念してお祝いする日。聖人が誰であろうと、祝福にはふさわしい機会ですから、デイリーアート・ストアの全商品とオンライン・コースの全プログラムを25%オフでご提供しますよ!
そして今日は、私のお気に入りの画家や作品を紹介する良い機会でもあります。今回はマティスですよ!
『ブルーヌードⅡ』は、アンリ・マティスの有名な切り紙絵の一つで、4点からなる代表的なシリーズの内の一点。マティスは、ハサミを一度だけ流れるように動かしてこの作品を作ったと言われています。『ブルーヌード』シリーズは、マティスが絵画と彫刻の両方で長年探究してきたヌードの坐像を再解釈したもの。このシリーズで彼は、色そのもので彫刻しています。空間にほとばしり出る、大胆で遠慮のないエネルギーに満ちた形状。この劇的な変化は、マティスの初期の教えを鑑みると一層印象的です。1908年、彼は教え子たちに対して、人間の形状の整合性を乱すことを戒め、手首や足首、肘、膝などの関節で四肢を支え、全体を慎重に一体化させるべきだと強調しています。関節で四肢を「分断する」ことや、人体の組成を崩す恐れのある空白を残すことに警鐘を鳴らしたのです。
しかし、『ブルーヌードⅡ』に描かれているのは、まさにその空白、即ち切り紙と切り紙の間の空間。そこには意味があるのです。何もない空間は、形状そのものと同様に重要な要素になっています。塊をつなぎ、動きを定義し、人物と空間との間のダイナミックな相互作用を生み出す空白。例えば、太腿の前で交差する折り曲げられた脚は、そこに意図的な空間があることで立体感を獲得しています。人体の整合性を乱すことなく、パーツを分離させることで深みとリズムが表出しているのです。切り紙絵は「パーツ」でできていますが、それは決して分断されたものではありません。 切り紙絵の作品は、マティスが生涯をかけて探究した、人間の形状はいかに空間の中に存在しているのかという問いに対する集大成であり、彼の彫刻的思考の究極の進化の姿なのです。
素敵な一日をお過ごしください!
- Zuzanna
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P.P.S. マティスは200点以上の切り紙絵を制作したことをご存知ですか?マティスの切り紙絵について知っておくべきすべてのことはこちら!以下のコラムでもマティスに関するストーリーを読めますよ。