今日は世界図書デー。読書、出版、著作権保護の促進のためにユネスコが制定した日にちなんで、ゴッホが描いた本を紹介します。
1887年の終わりに描かれたこの作品は、ゴッホがパリ時代に制作した最も完成度の高い静物画の一例。2年間のパリ滞在中に手掛けた、本を主題とした数点の内の一つで、その画風の真の変化が見て取れます。弟のテオと同居するために1886年2月にパリにやって来たゴッホは、モンマルトルの活気に満ちた雰囲気に真っすぐに飛び込んでいきました。 そこで、新しいアイデア、新しい芸術家たち、とりわけ色彩に対する新しいアプローチに出会ったゴッホ。『パリの小説』では、オランダ時代の重厚な茶色が姿を消し、明るい色調と生き生きとした画面に取って代わられています。傾いたテーブルの上には、黄色の表紙でひと目でそれとわかる当時のフランスの小説が積み重ねられ、その横にあるのはバラを挿したシンプルなグラス。これらの本は、ゴッホが生涯にわたって文学、とりわけ敬愛する自然主義の作家たちに捧げた情熱を表しており、一方で花ははかなくも優しく対比されています。
この絵は、ゴッホの初期の静物画の多くと比べて大きく、その筆遣いは益々自由闊達。短い筆致、絵具を置くような表現、細かい平行線でつけた陰影などが画面を構成し、場面に動きを与えています。1888年のアンデパンダン展に『パリの小説』というタイトルで出品された本作は、ゴッホとテオにとって明らかに特別な意味を持っていました。それは、単なる小説とバラの静物画ではなく、新たに発見した色彩に対する確信だったのです。
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