二人の男の子の皿

男の子たちが遊ぶ場面は、宋時代（960～1279年）に起源があり、中国の装飾美術にありふれたものです。それらは子孫繁栄の願いと喜びを表現しています。この小皿の中央の、生き生きとした二人の男子のうち一人は木馬に乗っています。それは中国に起源をもつ玩具かもしれません。もう一人は太鼓を叩いています。竹、梅、蘭、菊の小枝が皿の縁を飾り立てます。

漆の技術というのは非常に興味深く、また、東アジアに特有なものです。漆は、ウルシの木の非常に有毒な樹液からできる樹脂で、その木は東アジア原産であり、ツタウルシにとても近い種です。本質的には漆は天然のプラスチックです。なんと耐水・耐酸であり、かなり高い耐熱性もあります。生漆は、木へ切り込みを入れて採れる粘性の高い樹液を抽出し、年に一度集められます。それを丁寧に温めて余分な水分や不純物を取り除きます。精製された漆は、ほぼあらゆる物の表面へ塗ることができ、重ねることもできます。漆を薄く塗ったらすぐに、高温多湿で風通しのない高い棚などへ置いて乾燥させます。高品質な漆になるほど、30回やそれ以上も重ねる必要があるため、生産には時間もかかり、非常に高価です。

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