ポントワーズ附近のクールーヴルの製粉小屋 by Paul Cézanne - 1881年 - 73.5 x 91.5 cm ポントワーズ附近のクールーヴルの製粉小屋 by Paul Cézanne - 1881年 - 73.5 x 91.5 cm

ポントワーズ附近のクールーヴルの製粉小屋

油彩、カンヴァス • 73.5 x 91.5 cm

  • Paul Cézanne - January 19, 1839 - October 22, 1906 Paul Cézanne

    1881年

ベルリンの旧国立美術館がこの絵を購入した時、セザンヌの美術はいまだ大いに論争の的でした。そのわずか2年前には、フランス政府がカイユボットの寄贈の一部としてセザンヌの2作品を受け入れたものの、3作目は拒否したという出来事がありました。

長い間セザンヌは出生地のエクサン・プロバンスとパリを行き来していましたが、イル=ド=フランス地域圏(訳注:パリを中心とした地域圏)内の色々な町にも滞在していました。カミーユ・ピサロはパリ北西のポントワーズに住んでいました。セザンヌは彼を訪ねて数回同地へ赴き(最初は1872年、最後は1881年の5月~10月)、彼らの共同制作はセザンヌを明るい印象派的な色彩へ促しました。「私たちはおそらく皆、ピサロへ立ち返っていく」と、セザンヌはのちに言っています。その年上の画家はまた、透明感と静けさにセザンヌを導きました。存続のために穀物貿易に依存していたその地域の多くの製粉所の一つである、デュ=ポン通りのエタネの製粉小屋を写した古い写真と見比べても明らかなように、この作品は非常に写実的に描写されていますが、それにも関わらず透明感と静けさに満たされています。背景の平らな白い家が作り出すのは素朴な印象。同時に絵全体には幾何学的な秩序が取り入れられています。交差し合う厳格な水平・垂直線が画面を占めています。

途切れる部分はありますが、それらは絵全体を通して平行に走っているように見えます。しかし近づいてよく見ると、絵の下半分、つまり前景では、徐々に対角に傾斜していきます。色彩の範囲は緑の濃淡から淡い青と黄土色。どの筆致も(短くまっすぐなもの、曲がっているもの、 渦巻いているものでさえも)独立しているため、絵具は完全に地を覆いきっておらず、それゆえにおぼろげな、実体のつかめなさも感じさせます。

この名作はベルリンの旧国立美術館のご協力で紹介していますが、同館で2026年9月27日まで開催の「カッシーラーと印象派の躍進」展で本作を鑑賞可能です。パウル・カッシーラーは当時最も有力な美術商の一人でした。ベルリンにいる方はお見逃しなく!

P.S. 10の絵を通してポール・セザンヌをさらに詳しく見てみましょう! 

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