この色彩豊かで細密な刺繍は『魂の進歩』4連作の最初の作品です。動物の皮をまとった理想的な若者が、彼を取り巻く緑豊かな自然界の文様と調和して、人間の魂を表しています。1895年に完成した『入り口』という作品に描かれた若者は希望と熱情に満ち、人生の現実を何も知らないようです。この若者は、イギリスの評論家であり小説家でもあるウォルター・ペイターの『想像の肖像』に登場するデニス・ロクセロワをモデルにしています。4連作の最後の作品『勝利』は1902年に制作されました。
フィービー・アンナ・トラケアはアイルランド出身のアーティストで、スコットランドにおけるアーツ&クラフト運動においてイラストレーター、画家、刺繍作家として活躍したことで国際的に知られています。今日の作品は、スコットランド国立美術館の協力で掲載しています。
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