駿州江尻 by Katsushika Hokusai - 1830年頃 - 25.4 x 37.1 cm 駿州江尻 by Katsushika Hokusai - 1830年頃 - 25.4 x 37.1 cm

駿州江尻

浮世絵 • 25.4 x 37.1 cm
  • Katsushika Hokusai - 1760 - May 10, 1849 Katsushika Hokusai 1830年頃

1760年のこの日、日本の芸術家であり江戸時代の最も有名な浮世絵師、葛飾北斎は生まれました。

本日お見せするのは、あの古典的な《神奈川沖浪裏》ではなく (私たちが紹介するまでもありませんからね)、比較的知名度は低いけれどもとても愛らしい作品です。この作品で北斎は、強風に煽られて持ち物を遠くに飛ばされる旅人たちの姿を描くことで、力強い自然の力を目の前にした人間の世界の不確かさというテーマに立ち返りました。女性の懐からは何枚もの紙が舞い上がっています。紙は宙を舞い、野原中に散らばっていきます。風にもまれた布地が女性の顔を覆い、前景のひょろ長い木の葉っぱが火の粉のように散っています。他の旅人たちは向かい風を避けようと身を屈め、笠を必死につかみながら歩いています。東海道五十三次の宿場町の一つである江尻は、清水港の西にありました。富士のふもとにある三保の美しい松林 (三保の松原) で有名な町でした。

また明日!

P.S. 北斎の《神奈川沖浪裏》は、富士山の情景を描いた46枚の一連の版画 (『富嶽三十六景』) のうちの1枚です。その中でも最も美しいものを集めたのがこちら