黄色い家のある風景 (冬の風景) by Kazimir Malevich - 1906年頃 - 19,2 x 29,5 cm 黄色い家のある風景 (冬の風景) by Kazimir Malevich - 1906年頃 - 19,2 x 29,5 cm

黄色い家のある風景 (冬の風景)

油彩、鑞テンペラ、厚紙 • 19,2 x 29,5 cm
  • Kazimir Malevich - February 23, 1878 - May 15, 1935 Kazimir Malevich 1906年頃

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マレーヴィチの自伝によれば、芸術家の道を歩み始めたのは1898年のことで、もともとは独学で始めたといいます。しかしながら1898年以降、記録に残っている中では最初の個展が開かれた1907年に至るまで、マレーヴィチは、完全ではなかったとしても専門的な芸術の訓練を受けようと努力していました。
生誕の地キエフでは、マレーヴィチは絵画教室に通っていました。1904年、モスクワに移ってからは、市立の絵画スタジオで学びました。新しいヨーロッパ芸術の全てを探り、様々な絵画上の概念を少しずつ吸収していったのです。  
マレーヴィチが一番初めに芸術上の関心を持ち、そして最もそれについて思いを巡らせ、最も真剣に興味を持ったのは、印象主義でした。1904年、モスクワを活動拠点としたセルゲイ・シチューキンのコレクションを見ている時に、マレーヴィチは、クロード・モネがルーアン大聖堂を描いた絵を事細かに観察する機会を得ました。マレーヴィチはその瞬間のことを忘れることなく、「素晴らしい出来事」であったと述べています。「初めて私は、深みと透明感のある色調で表された、青空の輝かしい反射を目にした。あれを見てから、私も印象派になったのだ。」
1906に描かれた《黄色い家のある風景》と題されたこの作品は、色と色の洗練されたコンビネーションが際立っています。今回マレーヴィチは、点描法といって、キャンバスの上に混じりけのない色の点をいくつも配置することで、ある程度距離をとって眺めたときに描きたい絵になるようにする技術を用いています。この絵をぱっと見たときに目に映るのは、何もかも混ぜ合わされた、色の飛沫の連続体だけです。しかし、キャンバスを更に注意深く見てみると、その飛沫はより見慣れた形にまとまって、何が描かれているのかわかるようになります。マレーヴィチは、異なる色の相互作用を通じて絵画のテーマを明らかにするという、自身の作品全体の目標を損なうことなく、点描によってこの絵を描き上げることに成功しています。 

本日の絵画は国立ロシア美術館のご協力のもとお届けいたします。
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