サドコ by Ilya Repin - 1875年 - 322,5 x 230 cm サドコ by Ilya Repin - 1875年 - 322,5 x 230 cm

サドコ

油彩/カンヴァス • 322,5 x 230 cm
  • Ilya Repin - August 5, 1844 - Spetember 29, 1930 Ilya Repin 1875年

このロシア美術の傑作は、国立ロシア美術館で2020年3月9日まで開催中の「イリヤ・レーピン生誕175周年記念展」の目玉です。モスクワに行くチャンスがあったら、お見逃しなく!

この絵は、皇帝即位前のアレクサンドル3世の注文で制作され、ノヴゴロドの叙事詩(ビィリーナ)を題材として、海底の王国での商人サドコを描いています。ロシア帝国美術アカデミーに入会後、フランスに遊学中の作品です。住み慣れた環境から離れた若きレーピンは、一般大衆の姿を描くことで自分の心情を表現しました。画中の美女たちは、様々な国や民族を擬人化したものです。サドコは目の前を進んでいく娘たちを見送り、ロシアの娘チェルナヴァを花嫁に選びます。当時、レーピンは こう書いています。「これは、まだロシアの美術に惹かれている私の心の内を表している」レーピンは、ヨーロッパの官展の華美な表現の影響も受けながら、思い描いたイメージを的確に表現する画法を探求しました。常に高いレベルの信憑性を求めて、彼は海底の地図を研究し、ノルマンディの海洋生物をスケッチし、ロンドンの水晶宮を見学しています。1876年には、この記念碑的な作品により、ロシア帝国美術アカデミーの賞を受賞しました。

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