この作品は、ミラノにあるアルチント宮殿の4枚のフレスコ天井画の内の1枚の習作です。オリジナルは1731年の制作とされ、応接間を飾る芸術の寓意を表すフレスコ画でしたが、1943年の空襲で破壊されてしまいました。今日は、所蔵するフリック・コレクションの協力でこの習作を紹介します。
ギリシャ神話によると、エチオピア王国の王妃カシオペアは、自分と娘のアンドロメダが海の女神ネレイデスより美しいと豪語して、女神たちの怒りを買います。この傲慢な王妃を懲らしめるために、ポセイドンは洪水を起こし、海の怪物を送り込んで王国を荒廃させようとしました。民を救いたければ娘を怪物に捧げなさいという神託に従って、王ケーペウスはアンドロメダを海辺の岩に鎖で縛りつけます。 アンドロメダを目にし、その美しさに心を奪われた英雄ペルセウスは彼女を救い出し、翼を持った馬ペガサスに乗せて空の彼方に連れ去りました。地上から見上げるような幻想的なアングルで描かれた光輝く天空には、金色に染まった雲に乗ったアテーナーとゼウスが姿を見せています。
P.S. ジョバンニ・バッティスタ・ティエポロは、ベネツィアの最後の巨匠と言われています。その理由はこちら!