ピエトロ・アレティーノ by ティツィアーノ ヴェチェッリオ - 1537年頃 - 101.9 × 85.7 cm ピエトロ・アレティーノ by ティツィアーノ ヴェチェッリオ - 1537年頃 - 101.9 × 85.7 cm

ピエトロ・アレティーノ

油彩/カンヴァス • 101.9 × 85.7 cm
  • ティツィアーノ ヴェチェッリオ - 1488年または1490年 - 1576年8月27日 ティツィアーノ ヴェチェッリオ 1537年頃

聖人の伝記や中傷的な詩、悲喜劇を著し、膨大な数の書簡を遺したピエトロ・アレティーノ(1492~1556年)は、著名人を大袈裟にほめ称えたり、誹謗中傷で攻撃することで、大きな富と影響力を手に入れました。若い頃のことはよくわかっていませんが、1527年にはベネツィアを拠点として活動していたようです。アレティーノの友人や庇護者には当時の著名人が名を連ね、この肖像画で身に付けているような金の鎖を贈った者もいました。ローマ教皇クレメンス7世は、彼をロドス騎士団の一員に任じ、ユリウス3世は聖ペテロ騎士に取り立てています。 アレティーノはティツイアーノとも親密な間柄で、少なくとも3点の肖像画を描かせています。鋭敏さと力強さを感じさせる頭部からは彼の知性を、高価な衣装をまとい、確固とした重厚さを湛えた姿からは経験の豊富さを感じさせます。

アレティーノは、ティツイアーノについてこう書き遺しています。「同時代人から”小さな星々の中の太陽”(ダンテの神曲・天国篇の最後の一文を想起させます)と言わているティツイアーノは、肖像、背景の風景、神話や宗教的題材などあらゆるものの描写に熟達し、イタリアで最も才能豊かな画家の一人である。」

今日の肖像画の傑作は、フリック・コレクションの協力で紹介しています。よい月曜日を!

P.S. ティツイアーノが、スペインの国王フェリペ2世に7点の大判画を進呈したのをご存知ですか? 彼は、その作品群のコンセプトを表わすために“Poesie”-詩のような絵画-という造語を作りました。詳しくはこちら!