道を渡る

にぎやかな街を眺めるボルディーニの視線が、パリのせわしない都会生活を捉えています。人々がそれぞれの方向へと先を急ぐ中で、優雅に着飾った――そして傍には誰もいない――女性が石畳の道を横切り、その姿が馬車の中の男性の注意を引きつけています。女性は急いでいて、スカートを持ち上げたことでペチコートが露わになっており、さらに魅惑的になっています。この絵には日付が二つ書かれており、おそらくボルディーニが描き始めた2年後に完成させた、あるいは描き直したことを指しているのでしょう。

本日の作品はクラーク美術館のご協力のもとお届けいたします。

P.S. ジョヴァンニ・ボルディーニは、世紀の変わり目のフランスとイギリスで活躍した、有名な社交界の肖像画家でした。ボルディーニは華麗でおしゃれな女性を描くことで一番よく知られています。美女たちを描いた作品はこちら！