今日紹介する作品は、その多くをスロバキア国立博物館協会の歴史博物館が所蔵するギルド・ファイアンス陶器の一品です。水差しや皿は、フッター派(Habans)の伝統的な製法で作られています。フッター派は、急進的なプロテスタント・グループであるアナバプティストに属し、16世紀にはスロバキア西部に点在する村に住んでいました。白く、透明性がないこと、鉛すず釉を使っていること、花模様の装飾、彩色は青、緑、黄、紫というのが、この陶器の特徴です。フッター派は宗教上の理由で赤は使いませんでした。18世紀になると、マジョリカ陶器が普及し、その製法は今日のスロバキア各地方に広まっていきました。ギルドで使われる道具類の装飾には、その紋章に由来するシンボルが使われることが一般的ですが、靴職人の場合は、靴と三脚や靴作りの道具がシンボルとされました。
ニュー・バプティストとも呼ばれるフッター派(Habans)は、1525年にスイスのチューリッヒで創設された急進的なプロテスタント・グループであるアナバプティストの一派です。ニュー・バプティストの教えでは、信仰を表明するには幼すぎるとして、赤ん坊や子供に洗礼を授けることを認めていません。洗礼は、神を信じ、信仰を実践する能力がある大人だけに施されます。ニュー・バプティストの聖書の解釈は急進的で、聖人を軽視し、初期のキリスト教徒のコミュニティの生活様式を踏襲しています。彼らは閉鎖的なコミュニティ(ドイツ語で”haushaben”と言うことから、フッター派を“Haban”とも呼びます)を形成し、何ヶ所かに分散して、大きな中庭を囲む一つ屋根の住居に住んでいます。
今日の作品は、スロバキア国立博物館協会の歴史博物館の協力で紹介しました。素晴らしい月曜日を!
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