死海 by Paul Nash - 1940–1年 - 102 x 152.4 cm 死海 by Paul Nash - 1940–1年 - 102 x 152.4 cm

死海

油彩、キャンバス • 102 x 152.4 cm
  • Paul Nash - 11 May 1889 - 11 July 1946 Paul Nash 1940–1年

今日はVEデー、ヨーロッパ戦勝記念日です。第二次世界大戦で、連合国がナチスドイツ軍に無条件降伏を正式承認させた1945年5月8日を祝う祝日です。チャンネル諸島を占領していたドイツ軍の正式な降伏は、翌日の1945年5月9日まで生じませんでした。したがって、ヨーロッパでの第二次世界大戦の終わりの印となりました。

ポール・ナッシュ(1889年5月11日-1946年7月11日)は、イギリスのシュルレアリスム画家、戦争画家で、写真家、作家、応用美術のデザイナーでもありました。ナッシュは20世紀前半でもっとも重要な風景画家の一人です。彼はイギリス美術におけるモダニズムの発展に重要な役割を果たしました。

第一次世界大戦の間に彼が制作した作品は、とりわけ象徴的にその戦争を表現したものでした。その戦争の後、ナッシュは風景画に注力し続けました。もともとは形式ばった装飾的なスタイルでしたが、1930年代にだんだんと抽象的で超現実的なスタイルの風景画となりました。絵画の中で彼はよく、ありふれた物を風景の中に配置し、それらに新しいアイデンティティと象徴的意味を付け加えていました。

第二次大戦の最中、ナッシュは航空機を人間中心的に描写した2つのシリーズを制作しました。激しく神秘的で象徴的な風景画を数多く制作する以前のことです。今日紹介しているこの絵は、墜落したドイツの飛行機の墓となった場所が、月明かりに照らされているのを描いています。翼や胴体の破片の合金は、海上のとがった氷に似ています。おそらく、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの《氷海》に影響を受けたのかもしれません。

この作品は、オックスフォード近くのカウリーにある、メタル・アンド・プロデュース・リカバリー・ユニットで1940年8月に作られたスケッチと写真を元にしています。そこには、ドイツとイギリス、両国の損壊した航空機があり、近所のモリス・モーターズの車工場へ運ばれリサイクルされ、飛行機を組み立てたり修理するのに使われていました。ナッシュはこう書き残しています。月明かりの下の残骸物の海は、動いたり揺れたりするかもしれない、しかし現実には、それはもちろん死で、唯一の動きは、右上に描かれた白フクロウの飛行だけだ。

ポール・ナッシュは画家ジョン・ナッシュの兄です。

また明日!