アレクサンドリアの聖カタリナ by ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1598-99年頃 - 173 x 133 cm アレクサンドリアの聖カタリナ by ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1598-99年頃 - 173 x 133 cm

アレクサンドリアの聖カタリナ

油彩/カンヴァス • 173 x 133 cm
  • ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1571年9月29日 - 1610年6月(?)18日 ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ 1598-99年頃

まさしくバロック期の名作である、この素晴らしいカラヴァッジョの絵とともに、引き続きティッセン=ボルネミッサ美術館の特集月間をお送りします。お楽しみください!

この絵はおそらく、カラヴァッジョの最初のパトロンのフランチェスコ・マリア・デル・モンテ卿に、ローマで依頼されたものです。きわめて自然な姿で描かれた聖カタリナのモデルは、当時の有名娼婦のフィリデ・メランドーニだとされます。プリンセスにふさわしい衣服で豪華に着飾り、クッションに膝をつき、鑑賞者をじっと見つめる彼女は、彼女の殉教を表す物に囲まれています。壊れた車輪、彼女を打ち首にした剣、殉教者のシンボルである椰子の枝です。場面のドラマティックな光は、カラヴァッジョに典型的な、キアロスクーロの効果を作り出しています。彼の光と質感へのアプローチーー本作で明らかですーーは、イタリアとヨーロッパ全土のどちらにおいても、相当な衝撃をもたらしたと思われます。

聖カタリナは、プリンセスらしく着飾り、高価な赤いダマスク織のクッションに膝をついた姿で描かれ、まっすぐに鑑賞者を見ています。彼女の衣服の色彩は、青と紫の組み合わせですが、北イタリア絵画に典型的なものです。大釘を打ち付けられた壊れた車輪、彼女の首をはねた剣、そして殉教者のシンボルである椰子の枝などの慣習的な付属物によって、彼女が聖人であることがわかります。拷問の道具の間に打ち立てられた斜めの線、彼女の傾斜した姿勢、眼差しの方向、そして彼女の体を照らす光線が、視覚的に非常に見事な構図をなしており、キアロスクーロによる強い立体感表現も間違いなく貢献しています。

この作品は、光源が右にあることが指摘されていますが、それはカラバッジョ作品にはあまりないことです。このことは、他の絵と同様にこの絵も、特定の場所へ設計されたもので、画家はその場所へ構図を適応させたのではないかという示唆へ繋がります。

- Mar Borobia

P.S. カラヴァッジョがどのように亡くなったか知っていますか?答えは簡単ではありません、こちらへどうぞ。

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