スミレ by Pauline Powell Burns - 1890年頃 - 27.3 × 31.4 cm スミレ by Pauline Powell Burns - 1890年頃 - 27.3 × 31.4 cm

スミレ

油彩/厚紙 • 27.3 × 31.4 cm
  • Pauline Powell Burns - 1872 - 1912 Pauline Powell Burns 1890年頃

この油彩画に描かれているのは、明るいグレイの背景を背にしたスミレの花々。濃いネイビーブルーと紫で彩色されたスミレの花は、緑の草の束と数枚の葉が無造作に積み重ねられた空間に置かれています。花々が据えられたオフホワイトの表面は、右に向かって徐々に灰色がかり、画面右端の影に混ざり合っていくようです。

1876年にオークランドで生まれたポーリーン・パウエル・バーンズの物語は、アメリカの歴史を体現しています。トーマス・ジェファーソンの邸宅モンティチェロの奴隷の孫娘は、長じて後、カリフォルニア州の展覧会に出展した最初のアフリカ系アメリカ人になったのです。1890年にサンフランシスコで開かれた力学研究所展が、その晴れの舞台でした。生きた時代ゆえだけではなく、1912年にこの世を去った彼女が短命だったことも、バーンズの作品が極めて少ない所以です。カリフォルニア州のオークランド美術館は、バーンズ作品を最も多く所蔵しています。

今月は女性史特集月間です。女性が描いた作品をもっと見たい方は、デイリーアートの女流画家ノートをこちらからチェックしてみてください。

P.S. もう一人、傑出したアフリカ系アメリカ人の女性アーティスト、エドモニア・ルイスを紹介します。こちらをご覧ください!