アフリカの男の肖像 by Albrecht Dürer - 1508年 - 31.8 × 21.7 cm アフリカの男の肖像 by Albrecht Dürer - 1508年 - 31.8 × 21.7 cm

アフリカの男の肖像

黒チョーク • 31.8 × 21.7 cm
  • Albrecht Dürer - May 21, 1471 - April 6th, 1528 Albrecht Dürer 1508年

アムステルダム国立美術館では1月16日まで、ルネサンス期の肖像画100点を集めた『Remember Me 肖像画展 ーデューラーからソフォニスバまでー』を開催中。今日は同館の協力で、ウィーンのアルベルティーナ美術館からこの展覧会に出品されている、アルブレヒト・デューラーのドローイングの傑作を紹介します。本物を見たい方は、アムステルダム国立美術館へお急ぎください!

1500年頃から、北欧の画家たちは特別の目的もなく、実物をモデルにして人間の頭部や肖像画の習作を大量に制作し始めます。中でも腕前が際立っていたのが、ニュルンベルク出身の革新的な画家、彫刻家、製図工、芸術理論家のアルブレヒト・デューラーでした。1,000点に及ぶ膨大なドローイング作品群には、親戚や画家仲間、無名の人々を描いた素晴らしい肖像画の数々が含まれ、人間の弱さを表現したそれらの絵には、どれも深く心打たれるものがあります。『アフリカの男の肖像』はとりわけ印象的。黒人の姿を描いた最初期の西洋絵画でもあります。この男性の素姓や、画家とモデルの出会いについては何もわかっていませんが、おそらくニュルンベルクかヴェネツィアで出会ったと考えられています。観る者を、この男性を知っているかのような思いにさせる表現力。鋭い観察眼を持って黒チョークを自在に操ることで、デューラーはモデルの男性の人格の核心に迫っているようです。はるか昔1508年のヨーロッパ絵画の中で、黒人に対する固定観念からの解放を私たちも経験することになります。

P.S. 『アフリカの男の肖像』と『Remembe Me』展の魅力あふれる作品の数々をこちらでご覧ください!

P.P.S. 私たちと同じくデューラーがお好きなら、有名な『野うさぎ』の高精細の複製画をデイリーアートのショップでチェックしてみてください。