古代ローマ

18世紀のイタリアの画家・建築家のジョバンニ・パオロ・パンニーニは、遺跡を専門とした最初期の画家で、とりわけ古代ローマの魅力的な描写で有名になりました。彼がその能力を発揮したのは、ローマの“ヴェドゥータ”、つまりその都市の壮大さを強調したパノラマの風景画でした。

パンニーニは本作で、大きなカンヴァスを利用し、ローマ内やその周辺の名高い古代遺跡や彫刻を描いて、手の込んだ美術陳列室を表現しました。『アルドブランディーニの婚礼』のフレスコ壁画の近くには、ガイドブックに感心する人物が何人かいます。

彼の絵には、パンテオン、コロッセオ、トラヤヌスの記念柱、ファルネーゼのヘラクレスといった代表的な名所が描かれ、それらには、永久都市の古代文化遺産への彼の深い理解がよく表れています。

この驚くべき作品は、スタンヴィル伯爵（のちのショワズール公爵）に依頼されたもの。絵の中央でガイドブックを持つ人物として描かれているのが彼です。パンニーニは自身によく似た人物も、椅子の後ろという、パトロンと比較すると控えめな場所に描きました。古代ローマの真髄を捉えるという、パンニーニのトレードマーク的能力は、恒久的な足跡を残し、鑑賞者は彼の美術的視覚を通して、過去の壮大な世界を垣間見ることができます。この絵には多様なバージョンがあり、シュトゥットガルトのシュターツギャラリー、ベルリンの絵画館、パリのルーブル美術館に所蔵されています。

- Maya M. Tola

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P.P.S. パンニーニの空想的な室内空間の絵にはいつだって惹きつけられます！ こちらの絵も、隠された細部をしっかり見ることができますよ。『絵画館の室内』です。