政治的な女

バッファローのオルブライト=ノックス美術館の特集月間が続きます。

『政治的な女』、あるいは『歓迎宴会』とも呼ばれるこの作品は、ジェームズ・ティソが1883年から85年にかけて制作した15点の大型絵画シリーズの内の一点。『パリの女たち』というタイトルのこのシリーズには、19世紀後半のパリ社会に対する画家の辛辣な観察とコメントが込められています。この絵の主題となっている政治的舞台は社交界。ティソは作品が訴える視覚的な物語によって、この若い女性が、自分をフランスの上流階級に人気の舞踏会やサロンのお洒落で陽気なゲストに仕立てることで、自身の地位を向上させようと目論んでいることをほのめかしています。1886年にこの絵が展示されたロンドンのアーサー・トゥース画廊が発行した図録によると、中央の女性のピンクのドレスは「．．．仕立て屋が粋を凝らした逸品で、沢山の小さなフリル、黒いコルセット、ピンクの腰帯が特徴的です。ピンクのダチョウの羽扇の色も丁寧に研究されて、調和が取れています。」1871年に普仏戦争とパリ・コミューンの混乱から逃れてロンドンに滞在していたティソは、この作品が制作された当時はパリに戻ったばかりでした。彼は『パリの女たち』で、同時代のパリの女性の個性を記録しようと試みただけでなく、自分が依然として、この流行に敏感な都市社会の脈動と内面の動きに順応していることを証明しようとしたのです。

素敵な日曜日をお過ごしください！

P.S. ティソの絵に登場する女性は完璧に見えるかもしれませんが、当時の人々の目にはそうは映りませんでした。ジェームズ・ティソの「不完全な」女性たちの世界はこちら！日曜日の楽しみに、有名な女性の絵に関するアートの中の女性クイズに挑戦してみませんか。

P.P.S. 当時のパリっ子の生活についてもっと知りたい方は、デイリーアートのオンライン・プログラム、フランス印象派基礎コースと、フランス印象派メガ・コースはいかがですか。