マーティヌス・ラービューは、風俗画と風景画で知られたデンマークの画家。19世紀前半のデンマーク絵画黄金時代の中心人物です。1820年代の半ば頃、彼は人生の大きな転換期に差し掛かっていました。個人的には、幼少期を過ごした家を出る準備をしていましたが、その家こそが、応接間の窓から見えるこの情景を描いた場所でした。
仕事の面では、美術学校の授業以外にも著名な画家C.W.エッカースベルグに師事して絵の勉強の幅を広げます。同時に、当時の知的風潮に影響を受けて、現実と理想、目の前のことと将来の憧れとの間の緊張関係に関心を向けていく中で、広範な進化を遂げていきました。
同時進行するこれらの進化は、その作品の中に静かに映し出されています。室内の親密な親しみやすさとコントラストを成すのは、未知の目的地に向かう帆船が待つ港の遠い誘惑。窓辺に吊るされた鳥かごは、内と外の境界にある空間を占め、かごの中の鳥は、拘束と憧れを表す胸に迫るシンボルになっています。
それぞれが異なる生長段階にある、窓辺に置かれた3つの鉢植えは、人生の旅路を静かに投影しています。右には小さな挿し木、左には咲きほこるアジサイ、そして中央には色あせていく花。港の3隻の軍艦もこの人生の旅路を表しています。建造中の1隻、艤装を取り外された1隻、そして左端の船だけが出航の準備ができています。ロマン主義の時代には、開かれた窓や海上の船といったモチーフは、内面の心の変化や願望、不確実性などを反映した象徴的な含意を多く持つようになりました。
P.S. デンマークの芸術についてもっと知りたい方は、デンマークの沿岸風景に影響を受けた画家グループ、スケーエン派の作品をチェックしてみてください。
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Martinus Rørbye