煙草を吸う男 by Georges de La Tour - 1646年 - 70.8 × 61.5 cm 煙草を吸う男 by Georges de La Tour - 1646年 - 70.8 × 61.5 cm

煙草を吸う男

油彩/カンヴァス • 70.8 × 61.5 cm

  • Georges de La Tour - March 13, 1593 - January 30, 1652 Georges de La Tour

    1646年

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは、20世紀初頭に再発見されるまで、長らくスペインとイタリアの巨匠たちの影に隠れて忘れ去られた存在でしたが、1930年代の研究成果によって次第にその評価を回復し、17世紀フランスを代表する画家の一人と見なされるようになりました。

現存するラ・トゥールの真作は僅か40点ほど。『煙草を吸う男』は、ほとんどの研究者が彼の息子エティエンヌとの共同制作の可能性を示唆していますが、画面全体のバランス、立体感溢れる描写の力強さ、仕上げの繊細さからは、疑いようもなくラ・トゥールの芸術的ビジョンが感じ取れます。

喫煙にふける人物という主題は風俗画でありながら、この作品はありふれた写実表現を超越しています。静謐で神聖とも言える厳粛さを画面に吹き込んでいるのは、カラヴァッジョの影響を受けた厳格な観察眼と劇的な明暗法。燃え木の光に照らし出された静かな緊張感に満ちた構図は、17世紀フランスの古典主義絵画の最も深遠な領域での誕生を告げています。

美しいですよね。

P.S. ラ・トゥールは、深く瞑想的な傑作で知られています。蝋燭の明かりに照らされたマグダラのマリアを描いた作品を見てみましょう。