三岸好太郎は日本の洋画家。 ヨーロッパの美術雑誌や日本で開催された展覧会で出会った西洋のモダニズム、とりわけポスト印象派とシュルレアリスムから深い影響を受けました。セザンヌやマティスを敬愛し、彼らが重視した構造、色彩、平面的な絵画空間などのスタイルを吸収した三岸。西洋の様式を直接模倣するのではなく、そこから学んだことを極めて個性的な視覚言語に昇華させ、ヨーロッパのモダニズムと日本的感性との架け橋となったのです。
三岸によると、この絵は、蝶は外洋を飛んで渡ると記した昆虫学者との対話から着想を得たもの。しかし、この話の魅力はさておき、蝶が実際に雲の上を飛ぶことはありません。ここでは、飛翔する姿を観察したのではなく、図鑑から描き写したかのように蝶も蛾も非常に平面的に描かれています。様々なアングルで画面いっぱいに舞い飛び、二層に分かれた二次元の平面に散りばめられた虫たちは、重力から解き放たれたよう。視線を固定させずに、空中をそっと漂うように誘い、無重力状態で浮かんでいるような感覚を生み出しています。
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Kotaro Migishi