横たわるオダリスク by Roger Fenton - 1858年 - 28.5 x 39 cm 横たわるオダリスク by Roger Fenton - 1858年 - 28.5 x 39 cm

横たわるオダリスク

ガラス・ネガティブからのソルトプリント • 28.5 x 39 cm

  • Roger Fenton - 28 March 1819 - 8 August 1869 Roger Fenton

    1858年

ロジャー・フェントンは19世紀中期、ヴィクトリア期の熱狂を反映した帝国のエキゾチックなイメージの写真連作をつくりました。パリで見たウジェーヌ・ドラクロワやジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルの絵に描かれたハーレムの場面やオダリスクに影響を受けたフェントンは、伝統重視の絵と慣習的に関わりある主題と結びつけることで、写真の地位を上げようと努めたのです。

『横たわるオダリスク』はこの連作で最も抑えめな写真の一つ。精巧に作り込まれた物語や演劇的な小道具は剥ぎ取られ、カーペットに重ねられた暗いクッションに寝そべる、ただ一人の人物に焦点を当てています。裸足で、金貨の付いたヘッドドレスを着けた彼女は、模様のあるゆったりしたズボンと、前を開けたブラウス姿で、マザーオブパールがはめ込まれたゴブレットドラム(訳注:グラスのような形をした片面太鼓の総称)をやさしく抱えています。周囲の暗闇から柔らかに姿を現すこのオダリスクは、異国趣味を丁寧に演出した、ヴィクトリア期のシンボルです。

P.S. ドラクロワは西洋美術におけるオダリスクたちの最も有名な描写をいくつも作りました。それらは常に、ヨーロッパの植民地主義的な視点を通して呈示されていました。ウジェーヌ・ドラクロワの絵のオリエンタリズムを探ってみましょう!