女性の頭部 by Michael Sweerts - 1654年頃 - 37.5 x 50.6 cm 女性の頭部 by Michael Sweerts - 1654年頃 - 37.5 x 50.6 cm

女性の頭部

油彩/板 • 37.5 x 50.6 cm
  • Michael Sweerts - 29 September 1618 - 1 June 1664 Michael Sweerts 1654年頃

細い髪を白いスカーフできつく巻いた女性が、目に涙を湛え、笑みを浮かべて鑑賞者を見つめています。1600年代半ばにイタリアに滞在したミハール・スウェールツは、ローマの貧民と田舎の農民に着想を得ました。当時は、下層階級の人々を題材にすることはまだ珍しく、その多くは貧しい人々をあげつらうような風刺画でした。しかし、スウェールツの絵には慈愛が感じられます。張りのない肌、かさが減った髪、顔の左側のいぼといった外見を正確に描写する一方で、内面の美しさを鮮やかに捉えています。作品の出来栄えは見事ですが、絵筆のひと塗りひと塗りを混ぜたり、分けたりして描くことで陰影を強調し、立体感を出しているところが、スウェールツの筆さばきの真骨頂です。頭に巻いたスカーフと襟の部分は、特にその特徴が際立っています。

なんというリアリズム!

P.S. 素晴らしい肖像画ですね。きっと彼女のプロフィール写真に使えると思いませんか? 偉大な肖像画家の作品を参考にして、うまく自撮りをするコツはこちら