真珠の首飾りの女 by Johannes Vermeer - 1662年頃 - 56.1 x 47.1cm 真珠の首飾りの女 by Johannes Vermeer - 1662年頃 - 56.1 x 47.1cm

真珠の首飾りの女

油彩/カンヴァス • 56.1 x 47.1cm
  • Johannes Vermeer - 1632 - December 1675 Johannes Vermeer 1662年頃

今月はベルリン絵画館コレクションの特集月間です。今日はフェルメールを。

若い女性が机の脇に立ち、鏡に向かって真珠の首飾りを整えています。鉛枠の窓からは光が差し込み、毛皮の飾りがついたマントとカーテンの黄色、殺風景な壁の白さは、暗い藍色の前景と相まって、絶妙な色合いのハーモニーを生み出し、この作品を傑作たらしめています。フェルメールは最も有名なオランダの画家の一人ですが、その生涯で約35点の作品しか遺していません。絵の構図を決める際には遠近法を用い、この作品では、消失点はちょうど机の上、女性の目の高さより下に位置しています。これによって、描かれた人物や品々を低い位置から見ているような効果を与えているのです。画家は、画面の端に椅子を部分的に切り取って描くことで、絵に奥行きを持たせるとともに、親密さをも表現しています。日常の何気ない仕草のクローズアップは、フェルメールお気に入りの主題でした。女性と鏡を隔てる飾り気のない壁には緊張感が漂い、彼女の存在をより印象深いものにしています。オランダ絵画におけるこのモチーフは、ヒエロニムス・ボスにまで遡ることができます。鏡は伝統的に自尊心の象徴とされ、世事の矮小さとはかなさを想起させました。高価な真珠は、虚栄心を映し出すものでもあります。

P.S. フェルメールが描いたデスペラートな妻たちはこちら