雪の中のシベリア犬 by Franz Marc - 1909/1910年 - 80.5 × 114 cm 雪の中のシベリア犬 by Franz Marc - 1909/1910年 - 80.5 × 114 cm

雪の中のシベリア犬

油彩/カンヴァス • 80.5 × 114 cm
  • Franz Marc - February 8, 1880 - March 4, 1916 Franz Marc 1909/1910年

ドイツ表現主義の中心人物であり、盟友ワシリー・カンディンスキーと並んで青騎士の創設メンバーでもあったフランツ・マルクは、第一次世界大戦の戦線下、とりわけ長く、血にまみれたヴェルダンの戦いで、榴散弾の破片を浴びて1916年に若くして悲劇的な死を遂げました。マルクは、画家を生業とする以前に神学と哲学を学んでいます。彼が好んで描いた動物を、画家は人間より神秘的で自然に近い存在と考えていました。マルクにとって動物は、当時の物質主義や腐敗とは無縁の無垢の時代、アダムとイヴの堕落以前のエデンの園を象徴するものでした。画家の目には、自然界と完璧に調和した理想的な創造物と映ったのです。

デイリーアートのスタッフが猫好きなことはもうご存知だと思いますが、この絵に描かれた犬も素晴らしく、心癒される情景ですね。嫌なことが多かった今年にはぴったり。デイリーアート・マガジンには犬に関する優れたコラムがあります。トマス・ゲインズバラによる犬の肖像画と、絵画の中の可愛い子犬たちをご覧ください。