森

スタニスワフ・ヴィトキェーヴィチは、いわゆる「ザコパネ・スタイル」を生み出した、ポーランドの画家・芸術理論家・アマチュア建築家。ザコパネはポーランド南部のタトラ山脈にある町です。今日紹介する美しい絵は、スタニスワフ・ヴィトキェーヴィチが結核の保養のためにザコパネへ行った２年後に制作されました。並外れて美しいこの風景は、冬の月明かりとタトラのトウヒの木影の魅力的な交錯をとらえています。柔らかな雪に覆われ、小道が横切るタトラの森が描かれていますが、小道にはトウヒの影が落ち、そりが滑った跡で分断された冬の月明かりはまるでレースの網目のようです。途方もない光と影の効果は、小道に沿って並ぶトウヒの枝に積もる分厚い雪の上にも現れています。この絵は夜景を描いたものですが、この一面の明るさは、驚くべきものです。星が描かれていなければ、月ではなく太陽の明るさだと感じるかもしれません。

ヴィトキェーヴィチは、そのような状態を完全に意図して描きました——描かれた風景の独特さを示そうとしたのです。月明かりを反射する一面の雪で昼間のように明るい夜は、現実離れしています。黒というよりも花崗岩のような色合いの夜空も、めずらしい現象です。そのうえ写真のようなリアルさのために、鑑賞者は雪に覆われたタトラの森を本当に観察しているように感じます。森の冷たさ、冬景色の静寂、雪道をブーツで歩くときの、雪を踏む音も聞こえてきそうです。

今日、皆さんが穏やかで幸せな時間を過ごせますように。  :)  メリー・クリスマス！  :)

P.S. この冬、まだ雪を体験していない方は、穏やかで雪がいっぱいの冬の絵をお楽しみください！ クリスマスムードに浸りたい方は下の記事をどうぞ！