ヤルタ海岸 by Ivan Aivazovsky - 1864年 - 18,5 х 24 cm ヤルタ海岸 by Ivan Aivazovsky - 1864年 - 18,5 х 24 cm

ヤルタ海岸

油彩/カンヴァス • 18,5 х 24 cm
  • Ivan Aivazovsky - 29 July 1817 - 2 May 1900 Ivan Aivazovsky 1864年

1870年代から1880年代、アイヴァゾフスキーは控えめな色彩(初期作品の鮮明な色使いとは対照的です)で数枚の絵を描いていますが、その絵で彼は最高に繊細な光と影の濃淡を使い、海辺と空気の動きをより自然にとらえています。

『ヤルタ海岸』は風のない晴れた日に描かれました。街はヤルタの湾岸の東側から描写されています。白みがかったぼんやりした霞の向こうで、クリミア山脈のふもとが沈みゆく太陽の光に照らされているのがわかります。明るい雲は湾の水面に映り、船やボートは前景に、白い建物は丘のふもとや坂の上に広がります。19世紀の終わりまでに、ヤルタは小さな漁村から、ファッショナブルな、ヨーロッパ屈指の保養地の一つへ姿を変えました。皇族に続いてロシアの富裕層が次々訪れました。豪華な建物や大邸宅、例えばダーチャ(訳注:ロシアの別荘)、ホテル、高級アパートなどが海岸沿いに立ち並んだのです。

アイヴァゾフスキーは生涯を通じてクリミアの海岸風景を描きました。クリミアやヤルタの至宝は、何度もアイヴァゾフスキーを刺激し、ロマンティックな湾港を描かせました。画家は自然の見た目の美しさだけでなく、時間帯、光、天候に左右される、その驚くほどの流動性にも心を掴まれていました。

今日の絵画はオムスク地方美術館のご協力で紹介しました。  : )

P.S. 多くの画家が海を描いてきましたが、海へ完全に身を捧げたのはイヴァン・アイヴァゾフスキーのみ。彼はその長い生涯で何千という海の絵を描きました。こちらでチェックしてください。