リバプールの乾ドックに係留されたダズル迷彩艦 by Edward Wadsworth - 1919年 - 304.8 × 243.8 cm リバプールの乾ドックに係留されたダズル迷彩艦 by Edward Wadsworth - 1919年 - 304.8 × 243.8 cm

リバプールの乾ドックに係留されたダズル迷彩艦

油彩/カンヴァス • 304.8 × 243.8 cm

  • Edward Wadsworth - 19 October 1889 - 21 June 1949 Edward Wadsworth

    1919年

『リバプールの乾ドックに係留されたダズル迷彩艦』は、エドワード・ワズワースの代表作の一つ。これは、第一次世界大戦中に敵の潜水艦を惑わすために連合国の艦船に施された、幾何学的でコントラストの強い塗装方法である「ダズル迷彩」が生み出す顕著な視覚的混沌を描写した大型の油彩画で、版画作品もあります。

ワズワースは、この塗装法について直接的な実務経験を持っていました。戦時中、イギリス海軍予備役として勤務し、この手法の考案者である海景画家ノーマン・ウィルキンソンの指導の下、リバプールとブリストルの港で、商船のダズル迷彩塗装を監督する任に就いていたワズワース。その実践的な管理経験を通じて、塗装パターン、ギザギザに交差する対角線、ぶつかり合う縞模様、偽の影などに関して、普通では知り得ない深い知識を身に着け、戦後それを自身の芸術作品にそのまま採り入れたのです。

乾ドックに並ぶ、ダズル迷彩を施された数隻の船。その船体の断片化されたモノクロと彩色のパターンは、大胆で角張った木版の線で表現されています。それは、戦前にワズワースも密接に関わった英国の前衛運動、ヴォーティシズムの幾何学的抽象性を思わせます。ダズル迷彩の艦船は、ある意味で、ヴォーティシズムが既に追究していた、断片化された機械時代の美学に完璧にマッチした現実世界の既成の題材を彼に与えたのです。その方向感覚を失わせるような幾何学模様は画家が発明した訳ではありませんが、就役中の艦船の塗装を実際に手伝った経験から着想したものでした。

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P.S. エドワード・ワズワース以外にも当時、従軍していた画家がいました。第一次世界大戦中で兵士として戦った5人の芸術家はこちら。